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小さなお子さま二人と暮らすH様ご夫婦。候補地のなかから選ばれた土地は、風致地区という自然環境を守る地域に指定された土地でした。「無機質な素材感を楽しめるような家をつくりたい」と真柄工務店にお問い合わせくださいました。

設計士はご指名により、アトリエウィの宇佐美愛氏です。

遊び心溢れる小さな家の設計に定評がある宇佐美氏が、風致地区という、新築する上での制限が通常よりも厳しいこの地に「お子様たちと賑やかに楽しく暮らしていってほしい」という願いを込めて設計・デザインしていきました。

今回のミッションとしては

・太陽光の設置に相応しい勾配の設計と明るく開放感のあるリビングの実現
・2台分の駐車スペースの確保
・「抜け感」意識した間取りと窓の設計

ポイントは、抜けのある北面からの採光と北庭の設計です。

Derail

エリア
東京都立川市
設計
atelier oui宇佐美愛建築設計事務所
竣工年
2024年
建物概要
敷地面積 111.64㎡(33.77坪)
建築面積 49.58㎡(14.99坪)
延床面積 94.97㎡(28.72坪)
UA値 0.36W/㎡K 
C値 0.2㎠/㎡ 
耐震等級3(許容応力度計算) 
階間エアコン
外壁/モルタル塗装
内壁/コットンクロス
窓/APW330

リビング・ダイニング

  • 太陽光の設置にも配慮して設計した勾配天井。狭小地での設計にはかかせない2階リビングです。
    北面にそびえ立つ建物がないことから、リビング窓は、北側に設置しました。障子の戸袋にセメント板を張ってインテリアのアクセントに。

  • リビングの床は表情豊かな木肌が魅力の北海道のタモ材です。
    クロスは主原料がオーガニックコットンの「コットンクロス」で施工しています。南面からのやわらかい光も絵になっています。

  • 空調環境は、階間エアコンによる全館空調で。送風ファンを介して一年中快適な住環境を整えていきます。

  • 耐震等級3を取るための耐力壁(オメガ メタルブレース)は塞がずに開口しました。つながりのある空間が生まれます。
    ロースタイルの建具でデザインすることで、空間を広く見せる効果があります。

キッチン

  • キッチンカウンターのタイルと照明は、宇佐美氏テイスト。背面にはラワン合板で造作した収納を設けました。
    広葉樹の「ラワン」は、ゆっくり成長するため、気の密度が高いのが特徴。強度の高い木材としても注目されています。

  • キッチンボードと並ぶ、フリーカウンター。家事の合間のちょっとした作業や、配膳や下善にも便利な自由な空間です。

  • キッチンからつながるバルコニー。屋根の太陽光と開放的な勾配天井の両方を実現するため、適切な勾配で計算していきました。

  • バルコニーには樹脂製の格子を採用。さりげない抜け感をプラス。

  • 本好きのH様ご夫婦に最適な、本棚を随所に散りばめました。自由な場所で、自由な気分で本が読める環境をイメージしました。

  • 取手がスマートな隠し収納を造作。建具屋さんが手がけました。人が入れる奥行きがあるがあるので、家電や備蓄入れなどにも便利です。

  • 横一列にトイレ、洗面、脱衣室を並べました。引き戸で仕切ることで、動線を確保しながらもそれぞれが独立した空間です。

  • 階間エアコンによる全館空調が、湿気の溜まりやすい脱衣室を一年中快適に保ちます。冬場のヒートショック予防にも最適です。

玄関

  • 曖昧な木目が魅力の「ラワン合板」をふんだんに。深みのあるマットな質感が空間をクールに見せてくれます。
    内装材や建具をラワン合板で統一していきました。

  • 玄関には広がる土間を設計。玄関から直接アクセスできる収納を充実させることで利便性を高めました。

  • 玄関土間にスリット階段を設計。テラスからもアクセスできる動線を確保しました。
    内と外が自然につながる設計は、宇佐美氏が大切にしているポイントです。

  • 階段下には空洞を。「ヌック※」のような存在感を放ちます。小さいながらも多目的に使える贅沢な空間です。
    ※家の中で空間の隅や突き出しを利用して小さなくつろぎスペースを作り出すこと。
    語源はスコットランド語で建築様式をあらわすneuk(ヌーク)からきている。

  • 玄関土間からつながるテラス。ガーデニングやBBQを楽しんだ後でも、そのまま土間に持ち運べます。お子さまの遊び場としても、安全です。

外観・お庭

  • 車2台分の駐車スペースを確保しました。刺激の強い西日に対しては、窓を設けず取り込まない設計です。

動画