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新築戸建ての「もしも」に備える、瑕疵担保保険の賢い選択と活用術

新築戸建ての「もしも」に備える、瑕疵担保保険の賢い選択と活用術

瑕疵担保保険(かしたんぽほけん)とは、新築住宅において構造耐力上主要な部分や雨水の侵入を防止する部分の瑕疵(欠陥)があった場合に、施工業者等が補修費用を負担できない場合でも保険会社が補償してくれる制度です。

マイホームは一生に一度の大きな買い物だからこそ、万が一のトラブルに備えておきたいもの。この保険があれば、予期せぬ住宅の不具合発生時にも、経済的な負担を軽減し、安心して住まい続けることができるのです。

保険加入が義務づけられているケース

2009年に施行された住宅瑕疵担保履行法により、新築住宅を供給する事業者、つまり建築業者や売主は、お客様が安心して住める住宅を提供するために、以下のいずれかの措置を講じることが義務付けられました。

  • 瑕疵担保保険への加入
  • 供託(一定額の資金を供託所へ預ける)

これは、万が一新築住宅に重大な瑕疵が見つかり、事業者が倒産などで補修費用を負担できないといった事態が発生した場合でも、お客様が適切な補償を受けられるようにするための国の制度です。

多くの会社は、手続きが手間いらずで、お客さんの信頼にもつながる瑕疵担保保険を選ぶ傾向があります。

検査の内容(保険付保前の検査)

瑕疵担保保険に加入するためには、保険法人(例:住宅保証機構・JIO・ハウスプラス等)による検査を受ける必要があります。主なステップは次の2つです。

1. 基礎配筋検査(基礎工事段階)

基礎の鉄筋が図面どおりに施工されているかをチェックするものです。

【検査内容の例】

  • 鉄筋の種類と太さ:設計図通りであるか
  • 鉄筋の本数と配置:設計図通りであるか、間隔は適切か
  • 鉄筋の継手:重ね合わせの長さは適切か
  • 鉄筋のかぶり厚さ:鉄筋からコンクリート表面までの距離が適切か(錆を防ぐために重要)
  • スペーサーの設置:鉄筋が正しい位置に保たれるようにスペーサーが適切に配置されているか
  • 基礎の形状:設計図通りに型枠が組まれているか、立ち上がりの高さや幅は適切か
  • アンカーボルトやホールダウン金物:土台や柱と基礎を緊結する金物が正しく設置されているか

 

この検査の目的は、建物の耐久性や安全性に直接影響する基礎部分の施工不良を未然に防ぐことです。もし、この段階で不備が見つかれば、コンクリートを打設する前に是正工事を行うことができます。

2. 構造体検査(上棟後)

建物の主要な構造部分(柱、梁、耐力壁、金物、屋根下地など)が図面どおり施工されているかを確認するものです。

【検査内容の例】

  • 柱や梁の接合:金物(ホールダウン金物、羽子板ボルトなど)が適切に取り付けられ、接合部の強度や緊結性が確保されているか
  • 筋交いなどの耐力壁:設計図通りに配置され、適切な方法で固定されているか(建物の耐震性を確保するために重要)
  • 床や屋根の構造:床組や小屋組が適切に組まれ、必要な部材が使用されているか
  • 構造材の寸法や品質:使用されている木材などの構造材が、設計図の仕様を満たしているか、著しい損傷がないか
  • 防水処理:屋根や外壁の防水下地が適切に施工されているか(雨水の浸入を防ぐために重要)

この検査の目的は、建物の耐震性や耐久性といった基本的な性能に関わる部分の施工不良を早期に発見し、是正することで、将来的な住宅の瑕疵リスクを低減することです(※保険法人により回数や項目が若干異なる場合あり)

瑕疵担保保険加入の流れ

  • 事業者が保険法人と契約
  • 工事中に検査員による現場検査
  • 問題なければ保険証券が発行
  • 万が一、引き渡し後に瑕疵が発見された場合、保険により修補費用が補償される

事業者は、国土交通大臣が指定する住宅瑕疵担保責任保険法人(以下、保険法人)に対して、事前に事業者の情報や建設業の許可情報などを届けて登録します(※保険法人により手続きや必要書類が異なる場合あり)

その後、住宅の工事着工前に、事業者(建築業者・売主)が保険法人に対して保険契約の申し込みを行います。

次に現場検査の実施です。「設計図通りに、そして安全に建てられているか」をチェックします。これは、後から欠陥が見つかるリスクを減らすための大切なステップです。

検査で特に問題がなければ「保険証券」が発行されます。これを受け取れば、もしもの時も安心です。

万が一、新築した住まいに住み始めてから、雨漏りや建物の傾きといった重大な欠陥(瑕疵)が見つかった場合は、その修理にかかる費用が保険金として支払われます。

瑕疵担保保険の検査=安全性の保証ではない

瑕疵担保保険の検査は、あくまで「保険付保の条件」としての最低限の技術的チェックを行うものです。あらかじめ、以下の点をしっかり理解しておきましょう。

  • 検査は「基礎配筋」や「構造体」などの一部工程に対してのみ行われる。
  • 図面通りに施工されているか、明らかな欠陥がないかを確認するだけで、全体的な安全性や性能の保証ではない
  • 内装や設備、断熱、防音、耐震性の詳細、施工精度の高さなどは検査対象外
  • 担当の検査員が短時間で行うため、すべてをチェックしているわけではない

例えるなら…

これは「健康診断の一部項目にOKが出た」ようなもので、全身の健康が保障されたわけではない、というイメージに近いです。

基本の2回検査(保険付保の最低条件)

どんな新築戸建でも、瑕疵担保保険に加入するために以下2回の現場検査は必須です。

  1. 基礎配筋検査
     → 基礎の鉄筋が設計図どおりに配置・結束されているか、など
  2. 構造用金物検査(上棟後)
     → 柱・梁の接合部や金物が適切に施工されているか、など

この2回は、保険法人(JIO・住宅保証機構など)の標準内容となります。

さらに安心したいなら+αの検査が超重要!

信頼できる工務店やハウスメーカーでは、次のような追加検査(オプション)を積極的に導入しているところもあります。

【外装下地検査(防水検査)】

  • サイディング張り前に、防水紙や防水テープの施工状況を確認
  • 雨漏りリスクを大きく下げられる

【断熱材検査】

  • 壁・屋根の断熱材が隙間なくしっかり入っているかを確認
  • 断熱性能や光熱費に大きく影響する

【内装下地検査・ボード留め検査(ビス間隔など)】

  • 下地の位置や施工精度が高ければ、クロスの浮き・割れを防げる

工務店選びのポイントにしよう

家づくりにおいて、デザインや間取りはもちろん大切ですが、長く安心して暮らすためには、目に見えない「仕様」こそが重要な鍵を握ります。ここで、信頼できる工務店を選ぶ上で確認しておきたい、特に重要なポイントを解説しましょう。

【耐震性は耐震等級3を取得しているか?】

単に建築基準法を満たすだけでなく、より厳しい基準である「耐震等級3」を、構造計算の中でも最も精密な「許容応力度計算」によってクリアしているかは、家族の安全を守る上で必須の確認事項と言えるでしょう。

【気密テストを実施しているか?】

高気密な住まいは、断熱性能を最大限に引き出し、冷暖房効率を向上させるだけでなく、計画的な換気によって室内の空気を清潔に保ち、健康的な暮らしへと繋がります。実際に気密測定を行い、その結果を数値で示してくれる工務店は、性能への自信と住む人への配慮の表れです。

【壁内結露計算をしているか?】

壁の中に結露が発生すると、建物の耐久性を大きく損なうだけでなく、カビやダニの繁殖を招き、アレルギーの原因となる可能性もあります。緻密な壁内結露計算を行い、その対策をしっかりと講じているかどうかは、見えない部分への丁寧な仕事ぶりを示す指標となります。

【オプション検査を積極的に取り入れているか?】

基礎配筋検査や構造躯体検査といった、標準的な検査に加えて、地盤調査や断熱施工検査など、住まいの品質を高めるためのオプション検査を積極的に提案してくれる工務店は、より安心して家づくりを任せられるでしょう。

【第三者検査や社内検査の体制があるか?】

工事の品質を確保するためには、第三者の専門機関による客観的な検査と、自社内での厳格な検査体制の両方が重要です。二重のチェック体制があることで、より高い品質の住まいが実現します。

【 「記録写真」や「検査報告書」を施主に共有してくれるか?】

工事の過程を写真で記録し、検査の内容を報告書として丁寧に説明してくれる工務店は、透明性が高く、施主との信頼関係を大切にしている証拠です。これらの情報共有は、家づくりへの安心感を深める上で重要な要素となります。

これらは、その会社の施工品質に対する意識の高さをはかる指標にもなります。

真柄工務店が提供する安心と信頼

家づくりは、お客様にとって人生における大きな決断です。真柄工務店では、上記のような仕様に関する厳しい基準をクリアすることはもちろん、その過程を丁寧に共有することで、お客様に心から安心して家づくりを進めていただけるよう努めております。目に見えない部分にも妥協しない真摯な姿勢と、透明性の高い情報公開こそが、真柄工務店がお客様から信頼をいただける理由だと確信しております。安心と快適が長く続く住まいを、真柄工務店と共につくりませんか。