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中古住宅を高断熱・高耐震にするには?第2回

中古住宅を高断熱・高耐震にするには?第2回

中古住宅を購入して自分たちの暮らしに合わせてつくり直すことは、とても魅力的な選択肢です。
ただし、何十年も前に建てられた中古住宅は、長く住み続けるためには高断熱化・高耐震化工事が欠かせません。

前回は、中古住宅を購入して本格的なリノベーションを行う場合、購入前に建物の法的な状況を確認することの重要性についてお話ししました。
◇前回記事:『中古住宅を購入する前に確認したいこと 第1回』

今回は実際に中古住宅を購入して、

「冬暖かく、夏涼しい住宅にしたい」
「耐震性能もしっかり高めたい」

という場合に、どのようなリフォームが必要になるのかをご説明します。

購入した中古住宅の性能を本格的に高めたいのであれば、スケルトンリフォームを前提に考えるべきです。
なぜなら、快適に住み続けられる断熱性能・耐震性能にするには、部分的にリフォームするだけでは限界があるため。
さらに、スケルトンリフォームを前提として考えられると、どのような中古住宅を購入すべきかも見えてきます。

この記事では、中古住宅をスケルトンリフォームするメリットや注意点、費用の考え方についてお話しします。

これから中古住宅購入をお考えの方、大規模なリフォームやリノベーションをご検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

 

高断熱化するならスケルトンリフォームを考える

中古住宅を購入して「冬暖かく夏涼しい住宅」に改修する場合、わたしたち真柄工務店はスケルトンリフォームを基本として考えます。

【スケルトンリフォームとは】

内装を解体し、柱や梁などの構造体が見える状態にしてから工事するリフォームのこと

中古住宅の断熱改修といっても、工事方法はさまざまです。
窓だけを交換する方法もあれば、床や天井に断熱材を追加する方法もあります。

しかし、住宅全体の断熱性能を本格的に向上させるには、スケルトンリフォームが最善策です。

壁を解体することで、完成後には見えなくなる部分まで確認できるため。

【スケルトンリフォームで確認できる部分】

  • 既存断熱材の状態
  • 柱や土台の状態
  • 雨漏りや腐朽の有無
  • シロアリ被害の有無
  • 筋交いや耐力壁の量
  • 接合部の状態

住宅の性能は、見えない部分の品質によって大きく左右されます。
窓だけを交換したり、床・天井にだけ断熱材を追加したりしても、壁の内側の状態が良くなければ快適な温度環境にできません。
また、構造の腐朽やシロアリ被害といった劣化を見逃していると、住宅そのものの寿命も短くなるでしょう。

だからこそ、壁の中を実際に見て確認できるスケルトンリフォームが、本格的な高断熱化の土台になります。

 

断熱材を入れ替えるだけでは高断熱住宅にはならない

断熱リフォームで注意したいのが「高性能な断熱材を入れれば暖かくなる」という考え方です。

しかし実際には、住宅の快適性は断熱材だけでは決まりません。
「冬暖かく夏涼しい住宅」にするには、住宅全体の断熱・気密・窓・換気をセットで考えることが重要です。

【住宅の快適性を左右するポイント】

  • 床、屋根・天井の断熱
  • 窓の性能
  • 気密性能
  • 換気計画
  • 結露対策

断熱性能を高めても、窓の性能が低かったり隙間が多かったりすれば、本来の性能を発揮できません。

そのため真柄工務店では、壁の内側を確認して断熱・気密・窓・換気を全体で設計し直すスケルトンリフォームをおこなっています。

 

さらに、断熱性能だけでなく、耐震性能も同時に見直せる点も、スケルトンリフォームの大きなメリットです。

 

「新耐震だから安心」とは限りません

スケルトンリフォームによって、耐震性能も安心できる状態を確認できます。
なぜなら、中古住宅の耐震性能は、建てられた時期だけでは判断できないからです。

中古住宅を購入する際に「1981年以降だから新耐震基準なので安心です」という説明を聞くことがあります。
確かに1981年は重要な境目です。

しかし、1981年以降にも耐震基準は見直しされています。「新耐震基準」が現代の新築と同等の耐震基準になっているわけではありません。
木造住宅の耐震基準では、2000年もまた重要なポイントになっています。 

【耐震基準の推移まとめ】

建設時期 基準名  主な内容 
〜1981年5月 旧耐震基準 震度5強程度の中規模地震で「倒壊しない」ことを想定した基準 
1981年6月〜 新耐震基準 震度6強〜7程度の大地震でも人命に関わる倒壊が生じない基準
必要壁量増加・構造計算項目追加など 
2000年6月〜  2000年基準 木造住宅特有の規定を強化。
地盤調査の実質義務化、耐力壁の配置バランス規定、接合金物の指定などが新たに明記

2000年には、木造住宅の耐力壁の配置や柱・筋交いなどの接合部に関する仕様が明確化されています。
言い換えると、1981年以降の住宅でも2000年より前に建てられていれば、耐力壁や筋交いの配置は脆弱である可能性があります。

そのため、1981年以降の住宅だから耐震補強が必要ない、と単純に判断することはおすすめしません。

築年数によって見るポイントも変わる

スケルトンリフォームで構造体が見えるまで解体すると、築年数だけではわからない詳細な状態までチェックできます。
それにより、安心な耐震性能に必要な工事を考えられます。

【年代別のチェックポイント例】

1981年以前建設(旧耐震基準) 基礎、柱、土台、シロアリ、腐朽、雨漏り、建物の傾きなど
1981年から2000年までに建設(新耐震基準) 耐力壁の配置や筋交い、柱・梁の接合部など
2000年以降に建設(2000年基準) 実際の施工状況や劣化状態

1981年以前の住宅は、耐震補強を前提として考えながら、基礎から構造体の劣化度合いまで、慎重に確認します。
1981年以降に建てられていても「新耐震基準だから大丈夫」と判断することはありません。

さらに、2000年以降の比較的新しい住宅であっても、実際の施工状況や劣化状態によって性能は異なるものです。
耐震性能が高くても、断熱性能が現在求められる水準に達しているとも限りません。

つまり、中古住宅の性能を判断するには「現在、その住宅がどのような状態なのか」を確認することが大切なのです。
「何年に建てられたか」は重要ですが、最終的には改修時点の状態をプロの目で確認しなければ、安心できる耐震性能かどうかは判断できません。

そのために、わたしたち真柄工務店では、買った時点の住宅性能を目視で確認できるスケルトンリフォームこそ、中古住宅改修の前提と考えています。

耐震と断熱を同時に考えるメリット

戸建てリノベーション

中古住宅をスケルトンリフォームする代表的なメリットは耐震と断熱を同時に考えられる点といえます。
壁を解体して、柱・梁・筋交いといった住宅そのものの構造体をチェックできるためです。

【耐震と断熱を同時に考えらえる】

耐震性能のチェックポイント 断熱性能のチェックポイント
  • 耐力壁をどこに設けるか
  • 柱や梁をどう補強するか
  • 接合部をどう補強するか
  • 基礎補強が必要か
  • 断熱材をどのように施工するか
  • 気密をどう確保するか
  • 窓をどうするか
  • 換気をどう計画するか

構造・耐震・断熱・気密、快適な家に改修するために確認したいポイントを一度に見直せることが、スケルトンリフォームの大きな魅力です。

 

スケルトンリフォームの注意点

ここまでお話ししたように、真柄工務店では中古住宅を快適で安心して住み続けられる性能にするために、スケルトンリフォームをおすすめしています。

ただしスケルトンリフォームをおこなうなら、知識と実績のある施工者に依頼することが重要です。
なぜなら、スケルトンリフォームには事前に知っておいていただきたい注意点もあるため。

ここからは、中古住宅スケルトンリフォームの注意点に触れていきます。

 

注意点①:中古住宅では基礎の状態が重要

構造体を確認するなかで、特に注意したいのが基礎です。

建物内部は解体して補強できますが、既存の基礎を全面的につくり直すのは簡単ではありません。

【基礎の状態のチェックポイント例】

  • 大きなひび割れがないか
  • 不同沈下の恐れがないか
  • 建物の傾きがないか
  • 鉄筋の状況
  • 耐震補強の可否

購入する中古物件の価格が安くても、大規模な構造補強が必要になれば改修費用は大きく増える可能性があります。

 

注意点②:雨漏り・シロアリ・腐朽は解体して初めて分かることも

中古住宅には、購入前の調査だけでは分からない部分もあります。
もしも解体後に劣化が発見された場合、補強や補修に想定外の費用がかかってしまうこともあります。

【解体して初めて分かる劣化の例】

  • 屋根やバルコニーからの雨漏り
  • 外壁からの雨水侵入
  • 浴室周辺の腐朽
  • シロアリ被害
  • 床下の湿気

仕上げ材を解体して初めて、床下が腐っているとわかる現場もしばしばです。
そうした場合は、構造材を部分的に交換して補強をおこないます。

そのため、中古住宅のスケルトンリフォームでは、想定外の工事に備えた予備費を考えておくことも重要です。

注意点③:間取りは何でも自由にできるわけではありません

スケルトンリフォームなら、大幅な間取り変更ができる可能性があります。

しかし、
「この柱を取りたい」
「この壁をなくして大きなLDKにしたい」
といった希望がすべて実現できるとは限りません。

なぜなら、取りたい壁が耐震上重要な壁である場合もあるためです。
耐震性能を高めるため、新たな耐力壁が必要になることもあります。

間取りと耐震性能を同時に考えて設計することが大切です。

 

本格的なスケルトンリフォームは3,000万円以上を想定

中古住宅を購入する際、特に知っておいていただきたいのが費用相場です。

「中古住宅を安く買って、1,000万円程度リフォームすれば、新築のような性能になる」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、断熱改修・耐震補強・その他の住宅全体のリフォームまで含めておおよそ3,000万円以上を一つの目安として考えていただいた方がよいと思います。

これまでの実績から、スケルトンリフォームには以下のような工事が必要です。

  • 窓の交換
  • キッチン・浴室・トイレなどの設備交換
  • 間取りの変更
  • 屋根・外壁の交換
  • 気密工事
  • 給排水工事

これらに加えて本格的な断熱改修・耐震補強までおこなうには、3000万円以上が相場になるでしょう。

もちろん、3,000万円あればどんな住宅でも改修できるという意味ではありません。
建物の大きさや劣化状況、基礎補強、設備仕様、屋根・外壁の工事などによって、それ以上になる場合もあります。

 

中古住宅は「物件価格+改修費」で判断する

中古住宅を選ぶときは、物件だけの価格で考えず、リフォーム計画まで含めた総額で判断しましょう。

例えば、2つの中古住宅物件があったとします。

  • A物件 2,500万円
  • B物件 3,000万円

価格だけを見れば、A物件の方が500万円安く魅力的です。

しかしA物件に大規模な基礎補強や耐震補強が必要で、B物件は既存の構造体を比較的利用しやすいとすれば、リフォーム後の総額は逆転する可能性があります。

つまり中古住宅では「いくらで買えるか」ではなく「希望する性能まで改修したときの総額はいくらになるのか」で判断することが重要です。

新築との比較もしてみてください

スケルトンリフォームに3,000万円以上掛かるのであれば、新築と比較することも重要です。
中古住宅だから、必ず新築より安くなるとは限りません。

比較するときは、工事費だけではなく、計画にかかる総額で考えます。

計画の総額 = 中古住宅購入費+購入諸費用+改修費+予備費

本格的な断熱改修・耐震補強を含めると、更地の土地に新築を建てるくらいの予算になるケースもあるのが現実です。

中古住宅購入とリフォームでマイホーム計画を考える方は、驚くでしょう。

それでも、中古住宅+スケルトンリフォームには、大きな魅力があります。

「希望する地域で土地がなかなか出ない」
「立地を最優先したい」
「今ある建物を生かしたい」

このような場合に、中古住宅+スケルトンリフォームの選択肢に価値があると考えています。

 

「安い中古住宅」ではなく「改修する価値のある中古住宅」を探す

本格的な断熱改修・耐震補強は、単に古い住宅をきれいにする工事ではありません。

既存住宅の構造を確認し、必要な部分を補強し、断熱・気密・窓・換気などを見直す。これから長く安心して暮らせる住宅へつくり直す工事です。

だからこそ、中古住宅を選ぶときには、

「安い物件を探す」のではなく「3,000万円以上を掛けて改修する価値のある建物か」という視点を持つことが重要です。

「物件価格とリフォーム費用を合わせた総額はいくらになるか。」
「完成後に、安心して暮らせる断熱性能と耐震性能が得られるか。」
そして
「その場所でこれから何十年暮らしていくのか。」

そこまで考えて物件を選ぶことが、後悔しない中古住宅+スケルトンリフォームにつながると私たちは考えています。

真柄工務店では、中古住宅を購入して断熱改修・耐震補強をご検討されている方には、物件購入前の段階からご相談いただくことをおすすめしています。

後悔しない中古住宅+スケルトンリフォームをご検討なら、ぜひわたしたちにご相談ください。