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なぜ真柄工務店は「国産の構造材」を使うのか
― 暑くなる日本で、これからの家づくりを考える ―
ここ数年、夏の暑さが明らかに変わってきたと感じている方は多いのではないでしょうか。
猛暑日が続き、「エアコンなしでは生活できない」状況が当たり前になりつつあります。
実際、世界的にも高温傾向は続いており、環境省によると2025年の世界平均気温は、工業化以前と比べて約1.43℃高く、観測史上2番目または3番目に暑い年となりました。
こうした状況を考えると、これからの家づくりでは「環境への負荷をできるだけ減らす」ことも住宅会社の大切な役割だと、私たちは考えています。
環境負荷低減のためにできることは、断熱性能や省エネルギー性能の見直しだけではありません。
「家をつくるときに、どのような材料を選ぶのか」
資材選びにもCO₂削減の視点が必要と考えています。
真柄工務店が国産構造材を基本としている理由の一つが、ここにあります。
真柄工務店が「国産の構造材」を使う理由

真柄工務店は、家の骨組みとなる構造材に、国産の木材を使っています。
参考:真柄工務店「厳選した素材と職人」
国産の構造材を採用する理由は、大きく3つあります。
- 木は吸収した炭素を貯めておけること。
- 日本の森林を育てる循環につながること。
- 製造時のCO₂排出を抑えられる材料であること。
家の骨組みに国産の木材を使うことで、環境負荷の低減に貢献し、これから家に住まうご家族の未来をすこしでも守りたいと考えています。
3つの理由を、はじめにお話します。
木は成長するときにCO₂を吸収する
1つ目の理由は、木が成長するときに二酸化炭素を吸収し、その炭素を住宅建材の中に長く貯めておけるからです。
木は成長する過程で、大気中のCO₂を吸収します。しかも、吸収した炭素は、伐採した瞬間にすべて大気中へ戻るわけではありません。成長するときに吸収した炭素は、伐採し木材になっても木の中に残るのです。
そのため、住宅の柱や梁などとして木材を使用すれば、その木材の中に炭素を長期間貯蔵することができます。
林野庁も、建築物に木材を利用することを「都市等における第2の森林づくり」と位置付け、木材利用による炭素貯蔵が地球温暖化防止に貢献するとしています。
参考:林野庁「建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量」
つまり木造住宅は、考え方によっては、街の中に炭素を貯めておく場所をつくることでもあるのです。
「木を切らない」ことだけが環境対策ではない
2つ目の理由は、国産材を使うことが日本の森林の持続に貢献できるためです。
「森林を守るなら、木を切らない方がいいのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、国産構造材の資源である日本の人工林は、人の手で植えられ、育てられてきた森です。
だからこそ「植える → 育てる → 使う → また植える」という循環をつくることが大切になります。
国産材を使うことで林業にお金が戻れば、伐採後の再造林や森林整備もしやすくなるでしょう。
林野庁は、国産材の利用による収益が森林所有者などに還元されることで、再造林をはじめとした持続的な森林整備につながるとしています。
「木を使わないこと」ではなく「育て、使い、また育てること」こそ、日本の森林を将来へ残していくために大切だと考えています。
国産材を使うことがCO₂削減につながる
3つ目の理由は、国産材を使うこと自体が、CO₂削減につながるからです。
木材には、鉄やコンクリートなどの他の構造材にはない、環境面での特徴があります。
製造・加工するときに必要となるエネルギーが、鉄やコンクリートよりも少ない点です。
そのため、建築物に木材を使用することは、1軒の家を建てるときに排出されるCO₂が最も少なく済む方法といえます。
建物のライフサイクル全体を通じたCO₂排出量が、削減されることにもつながります。
こうした3つの理由から、国産材を選ぶことには、単に「日本の木だから安心」という以上の意味があると考えています。
日本の森林資源を循環させながら、住宅の中に炭素を長期間貯蔵し、CO₂削減につなげていく。
これこそ、真柄工務店が国産材を使う理由です。
暑い夏だからこそ、断熱性能もCO₂削減も大切
国産材を使うことは、高断熱・高気密住宅をつくることと、実は同じ方向を向いています。
現代では、住み始めてから使うエネルギーの節約は、当たり前に重要視されています。
これからさらに夏の暑さが厳しくなれば、冷房を我慢して暮らすことは現実的ではありません。そのため近年は「エアコンを使わない家」ではなく「少ないエネルギーで快適に暮らせる家」が主流な考え方になりました。
たとえば環境省をはじめとする国の取り組みでも、夏の省エネ対策として高断熱窓や住宅の断熱化、さらに太陽光発電や蓄電池などを組み合わせることを推奨し、さまざまな補助金事業が展開されています。
参考:住宅省エネ2026キャンペーン
当然ながら真柄工務店でも、断熱・気密性能を家づくりの重要な基本性能として考えています。
高い断熱性能と気密性能によって外の暑さの影響を受けにくくし、冷房に必要なエネルギーを抑える。さらに太陽光発電などを組み合わせることで、暮らしの中から発生するCO₂をできるだけ減らしていく。
暑い夏を快適にしながら、次の世代にできるだけ負担を残さない家づくりです。
真柄工務店では、こうした住み始めてからの省エネと同じ目的で、国産材の利用を大切にしています。
住宅を建てるときのCO₂も削減し、次世代に優しい街づくりを目指します。
真柄工務店の構造材へのこだわり
国産材を使うといっても「どんな国産材でもOK」と考えているわけではありません。
つづいて、構造材を考えるうえで大切にしているこだわりについてもお話しします。
国産材なら何でも良いわけではありません
1つ目のこだわりは、国産材の中でも、構造材として必要な品質が確認された材料を使うことです。
理由は、木が自然素材であるから。自然素材である以上、同じ樹種、同じ太さであっても、節の状態や含水率などによって品質に違いがあります。
住宅の構造材として使うなら「国産だから安心」という感覚的な判断では足りません。
そのため真柄工務店では、JAS規格(日本農林規格)の国産構造材を基本としています。JAS規格をクリアした木材は、強度や含水率などの品質が基準に沿って確認された材料です。
国産であることに加えて、品質の裏付けがあることが、わたしたちが構造材を選ぶ基準です。
耐震等級3を支える構造材だからこそ品質を
2つ目のこだわりは、耐震等級3を約束できる品質の構造材を使うことです。
真柄工務店の新築住宅では、許容応力度計算による耐震等級3を標準としています。
「許容応力度計算」とは、建物にかかる力を計算し、柱や梁、耐力壁(地震や風の力に抵抗する壁)、基礎などが必要な強度を持っているかを確認する構造計算の方法です。
一般的な木造2階建て住宅では、必要な壁の量を確かめる「壁量計算」というシンプルな構造計算でも法的に建築可能ですが、あえてより細かな許容応力度計算をおこなっています。
しっかりと構造計算をする以上、使われる構造材も品質や性能が確認されたものであるべきです。使う材料まで含めてはじめて「耐震性能」と考えるのが、私たちの方針です。
さらに、構造計算だけで終わらせず、施工中には第三者による検査もおこなっています。
「計算する」「材料を選ぶ」「正しく施工する」「検査する」
この4つが揃って、初めて本当の意味で安心できる家になると考えています。
無垢材よりも大切なこと
3つ目のこだわりは、材料が無垢かどうかよりも構造の安全を優先することです。
真柄工務店では構造材は無垢を基本としています。無垢の構造材とは丸太から切り出したままの木材のことで、板を何層も接着してつくる集成材とは異なり、木そのものの性質をそのまま生かせるのが特徴です。
ただし、自然素材へのこだわりは大切にしながらも、構造に関して最優先すべきものは、あくまでも住む人の安全だと考えています。
たとえば、建物の間取り・梁の長さ・構造材にかかる荷重などによっては、集成材を使ったほうが適切な場合があります。
その場合には、無理に無垢材にこだわりません。構造計算の結果に基づいて、その場所に必要な強度を持つ材料を選択します。
「無垢材だから」ではなく「その場所に必要な強さがあるから」が材料選びの基準です。
見えなくなるところに、お金をかける

わたしたちは、構造・断熱・気密など、完成すると見えなくなる部分こそ、最初にしっかりつくるべきだと考えています。
後から変えられない部分を先にしっかり固めておくことが、長い目で見て住まいの安心になるためです。
経験上、どの家づくりにも、必ず予算があります。
キッチンを豪華にしたり、タイルを使ったり、大きな窓をつけたり、目に見える部分にお金をかけたくなるのは当然のことでしょう。
しかし、設備は将来交換できます。内装もリフォームできます。
他方、家の骨組みや断熱性能を後から根本的に直すのは、簡単ではありません。
だからこそ、新築するときに、構造までしっかりとこだわる必要があると考えています。
これから30年、50年住む家だから

これから建てる家は、現在の気候だけを考えてつくればよいわけではありません。
10年後、20年後、30年後にも、その家で暮らし続けます。
昨今の厳しい夏を見ていると、住宅会社として「今までこの仕様で大丈夫だったから」という考え方だけではいけないと思っています。
- 地震に強いこと。
- 暑さ・寒さから家族を守れること。
- 少ないエネルギーで快適に暮らせること。
- そして、できるだけCO₂排出を減らすこと。
国産構造材を使うことも、許容応力度計算による耐震等級3も、高断熱・高気密化も、太陽光発電も、それぞれ別々の話ではありません。
すべては「長く安心して暮らせる家を、次の世代に残す」という一つの考え方につながっています。
家が完成すれば、構造材も断熱材もほとんど見えなくなります。
だからこそ、見えなくなるところをごまかさない。
そして、今だけではなく、これからの日本の気候や環境まで考えて家をつくる。
それが、真柄工務店の家づくりです。