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ZEH基準で、本当に十分ですか?

ZEH基準で、本当に十分ですか?

家づくりを検討していると「ZEH基準に対応した高断熱住宅です」という説明を耳にすることがあると思います。

そう聞くと
「断熱性能は十分なのだろう」
「冬も暖かく、夏も涼しい家なのだろう」
と感じるかもしれません。

しかし、私たち真柄工務店では、ZEH基準よりも高い「東京ゼロエミ住宅・水準A」を標準としています。
従来のZEH基準の下限を満たすだけでは、これから何十年と住み続ける家の性能目標としては、正直、かなり甘いと考えているからです。

毎日の快適さ・住み始めてからの光熱費・CO₂削減まで含めて、これからの時代の住宅として必要な性能を考えています。

今回は、ZEHと東京ゼロエミ住宅水準Aは何が違うのか、私たちがなぜより高い性能を標準にしているのかを、できるだけわかりやすくお伝えします。

真柄工務店が「東京ゼロエミ住宅・水準A」を標準にする理由

わたしたちが「東京ゼロエミ住宅・水準A」を標準にする理由は、単に断熱の数値を良く見せたいからではありません。

はじめに、ZEH水準とはどのような品質か解説します。

ZEHは、断熱性能の最高水準ではありません

ZEH水準は、断熱性能を図るための基準のひとつですが、実はさらに高い水準があります。

従来のZEHの断熱基準は、東京などの地域区分6地域では、UA値0.60以下。断熱等級では等級5に相当する水準です。
その上には、さらに断熱性能の高い等級6・等級7があります。

【戸建住宅の断熱等性能等級】

断熱等級 UA値(6地域 位置づけ
等級7 0.26以下 現行の最高等級
等級6 0.46以下
等級5 0.60以下 ZEH水準
等級4 0.87以下 2025年4月から新築住宅で適合義務化された省エネ基準の水準

出典:国土交通省 省エネ性能に係る上位等級

 

また、ZEH水準は本来断熱性能だけを評価する仕組みではありません。

ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス) = 高い断熱性能・省エネ性能の住宅に、太陽光発電などを組み合わせることで、年間の一次エネルギー消費量の収支を【実質ゼロ】にする住宅のこと

参照:「省エネ住宅とは」環境省ポリシーサイト

もちろん、ZEH住宅の中にも、等級6や等級7の性能を備えた住宅はあります。

お伝えしたいのは「ZEH」という名称だけで安心せず、その家の実際の性能を確認してほしいということです。

 

断熱性能の「UA値」と、省エネ性能の「BEI」

では、水準の名称だけで満足しないために、実際の性能を確認するにはどうしたらよいのでしょう。
住宅性能を考えるときに、知っておいていただきたい数値が二つあります。

「UA値」と「BEI」です。

UA値は家の「断熱」、BEIは家の「燃費」を表しています。

家の保温力は「UA値」

UA値は、断熱性能を表す数値です。
壁・屋根・床・窓などから、家の中の熱がどれくらい逃げるのかを示します。

 

UA値 = 外皮(壁・屋根・床)から逃げる熱の合計(W/K)÷ 外皮の面積の合計(㎡)

数値が小さいほど、室内の熱が逃げにくく、保温力の高い家ということを確認できます。

家の燃費は「BEI」

もう一つが、省エネ性能を表す「BEI」です。
BEIは、国の基準となる一次エネルギー消費量に対して、計画している住宅の一次エネルギー消費量がどのくらいになるかを示す割合です。

BEI = 家の設計上のエネルギー消費量 ÷ 国の基準のエネルギー消費量

たとえば、BEIが1.0なら国の基準と同じ、0.80なら基準から20%削減、0.55なら45%削減という意味です。
こちらも、数値が小さいほど省エネ性能が高いことを示します。

なお、BEIは家庭で使うすべての電気・ガスを、そのまま評価しているわけではありません。暖房・冷房に加えて換気・給湯・照明のエネルギーも評価する一方、家電や調理などの「その他一次エネルギー消費量」はBEIの計算から除かれます。
参考:省エネ性能に係る上位等級 国土交通省

 

つまり、UA値で「家そのものの断熱性能」を確認し、BEIで「設備も含めた省エネ性能」を確認する。
2つの値をどちらもチェックすることが大切なのです。

 

ZEHと東京ゼロエミ住宅・水準Aを比較すると

では、従来のZEH基準と水準Aでは、どのくらい差があるのでしょうか。
東京など6地域の戸建て住宅について、主な数値を並べてみます。

真柄工務店が標準としている「東京ゼロエミ住宅水準A」では、太陽光発電による削減分を算入しない指標「BEI_ZE」で評価します。
各制度の認証には、これら以外の要件もあります。

燃費の良さに30%の差が開く

ZEHと東京ゼロエミ住宅・水準AのBEI(省エネ性能)の違いを、もう少し具体的に考えてみましょう。

同じ地域・同じ床面積・同じように冷暖房を利用する住宅を比較すると、従来のZEH性能で建てた家では80%、水準Aは55%で運転できる単純計算になります。

(80-55)÷80=31.25%

条件をそろえて基準値同士を比べると、水準Aは従来のZEHに対して、評価対象の一次エネルギー消費量が約31%少ない計算になるのです。
つまり、東京ゼロエミ住宅・水準Aは、ZEHよりさらに3割ほど燃費のいい家と言い換ることもできます。

これは、個々のZEH住宅すべてに当てはまる実測結果ではありませんが、求められる省エネ性能の違いを理解する目安になります。

そして、この差は、光熱費だけでなく、環境への負担を考えるうえでも重要です。

 

東京ゼロエミ住宅・水準Aで建てられる家とは

BEIを下げ暮らしのCO₂削減につなげる

燃費のいい家は、地球にもやさしい家になります。

断熱性能を高めて冷暖房に必要なエネルギーを減らし、高効率な給湯器や照明などを組み合わせる。
こうした省エネの積み重ねは、住んでからのエネルギー利用に伴うCO₂排出量を減らすことにもつながります。
参考:「省エネ住宅とは」環境省ポリシーサイト

ただし「BEI0.55だから、CO₂も必ず45%削減できる」という意味ではありません。
実際のCO₂排出量は、使用する電気やガスの量だけでなく、エネルギーの種類や、電力会社・契約メニューなどに応じたCO₂排出係数によって変わります。具体的なCO₂削減量を示すには、BEIだけでなく、エネルギー別の使用量と排出係数をそろえた計算が必要です。
参考:温室効果ガス算定方法 環境省ポリシーサイト

それでも、私たちが目指す方向は明確です。

環境のために寒い部屋で暖房を我慢したり電気代の心配から冷房を控えたりせず、家族が快適に暮らせることを前提に、必要なエネルギーを少なくする暮らしが良いですよね。

家計の負担だけでなく環境への負担も抑えていくことを、家づくりの段階から大切にしたいのです。

太陽光発電を載せる前に、家と設備の性能を高める

私たちがつくりたいのは「たくさん使う分を、たくさん発電して補う家」ではなく「そもそも少ないエネルギーで暮らせる家」です。

今回比較したZEHの20%削減と、水準Aの45%削減は、どちらも太陽光発電による削減分を含めない省エネ性能です。
特に東京ゼロエミ住宅では、設備そのものの省エネ性能を高めるため、太陽光発電の自家消費分を含めないルールになっています。
参考:ZEHの促進について エネルギー庁

私たちは、この「発電設備を前提としない」考え方を大切にしています。

まず、家の断熱性能を高める。
そして、効率の良い設備を選び、少ないエネルギーで暮らせるようにする。
そのうえで太陽光発電を活用する。

この順番こそが、私たちの考えるこれからの家づくりの基本です。

 

真柄工務店は、計算上の数値だけで家をつくりません

どれだけ良い数値で設計しても、現場でその通りにつくれなければ意味がありません。
だからこそ真柄工務店では、気密性能や施工品質も重視しています。

気密性能については、全棟で気密測定を実施し、C値0.5㎠/㎡以下を保証しています。
また、断熱材の施工状況などを確認する第三者検査も行っています。
関連記事:西東京市で注文住宅を建てるなら真柄工務店 | 自然素材の家

良い断熱材や設備を選ぶだけで終わらず、設計した性能を現場で確実につくり込む。窓からの日差し、換気、冷暖房の計画まで含めて考えることが重要です。

私たちは、UA値やBEIを、見栄えの良い数字として並べたいのではありません。
その数値を、お客様の暮らしの快適さにつなげたいと考えています。

 

これから建てる家を、従来の基準の下限で考えない

家づくりには、ご予算があります。性能と費用のバランスを考えることは、当然必要です。
それでも、建てた後では壁や屋根などの断熱性能は簡単に高められないので、性能は新築のときにしっかり確保してほしいと考えています。

ZEHの仕組みは否定しません。
しかし、従来のZEH基準で満足して、性能の検討を止めないでほしいと考えています。

たとえば国は、2030年にはZEH水準の省エネ性能を新築住宅に義務化する方針を示しています。つまりいまのZEH基準は、近い将来の「最低ライン」になっていく水準です。
参考:経済産業省 ZEHの定義について

どの基準にすべきかを考えるには、助成制度もその判断材料になります。
2026年度の東京都の制度では、要件を満たす新築戸建て住宅に対する住宅建設費の助成は、水準Aが240万円、水準Cが40万円です。適用条件や申請手続きはありますが、性能向上の費用を考える際に活用したい制度です。
参考:東京ゼロエミ住宅 環境局

性能の検討では、UA値で断熱性能・BEIで省エネ性能を確認する。そして、施工品質や住み始めてからの快適さ、CO₂削減まで考えることが重要だと考えています。

 

真柄工務店にとって、東京ゼロエミ住宅・水準Aは、一部のお客様だけにおすすめする特別仕様ではありません。
これから東京で長く暮らす家には、この水準を目指すことが必要だと考えるからこそ、標準にしています。
関連記事:令和7年度 「東京エコビルダーズアワード」3賞4部門を受賞 真柄工務店

「ZEHだから安心」から、一歩先へ。

家族が快適に暮らしながら、使うエネルギーを減らし、環境への負担も抑えていく。私たちは、そんな家づくりを続けていきたいと思います。